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音楽文化等の普及・振興
上質で多彩な鑑賞
音楽
クラシック

グランシップ リサイタル・シリーズ
小菅優 ピアノリサイタル

日時 2022年1月14日(金)19:00~(18:15開場)
会場 中ホール・大地
料金 1/7(金)〜直前割引中
一般3,800円 ⇒ 3,040円
こども・学生1,000円
当日券は17:45〜中ホール前で販売
主催 公益財団法人静岡県文化財団、静岡県
後援 静岡県教育委員会
問合せ グランシップチケットセンター TEL.054-289-9000

© Marco Borggreve

© Takehiro Goto

心のなかを流れる風を、繊細にとらえて歌うピアノ
世界的な舞台で喝采を浴びてきたピアニスト小菅優がグランシップに初登場!

<曲目>
フランク:プレリュード、コラールとフーガ M.21 ロ短調
武満徹: 雨の樹 素描 I
ドビュッシー:
前奏曲集 第1巻から「野を渡る風」「西風の見たもの」「沈める寺」
前奏曲集 第2巻から 「霧」「花火」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 op.13「悲愴」
シューベルト:幻想曲 ハ長調 D760 「さすらい人」
※曲目は変更になる場合がございます。

過去のコンサートより、演奏動画を追加しました! (12/14更新)

シューベルト:幻想曲 ハ長調 D760 「さすらい人」 第4楽章

ピアノ・リサイタル 「Four Elements Vol.4 Earth」(2020年11/27東京オペラシティ コンサートホール)ダイジェスト版より
(31:18~から再生されます)


クラシック音楽情報ポータル「ぶらあぼONLINE」にメッセージが掲載! (12/16更新)
小菅優|新たなプロジェクトに寄せてmessage from Yu KOSUGE

NEW  1/6(木)静岡新聞(夕刊)にインタビュー記事掲載!
あなたの静岡新聞(WEB版) 自然彩る五感のピアノ

小菅優 プロフィール


© Marco Borggreve

小菅 優  (ピアノ)
YU KOSUGE, Piano
 
 高度なテクニックと美しい音色、若々しい感性と深い楽曲理解で最も注目を浴びている若手ピアニストの一人。9歳より演奏活動を開始し、2005年ニューヨークのカーネギーホールで、翌06年には、ザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタルデビューを行い、大成功を収めた。

 これまでにA.ドミトリエフ、C.デュトワ、小澤征爾、大植英次、R.ノリントン、S.オラモ等の指揮でベルリン響、フランクフルト放送響、シュトゥットガルト放送響、ハノーファー北ドイツ放送フィル、サンクトペテルブルク響、フィンランド放送響等と共演。10年ザルツブルク音楽祭で、I.ポゴレリッチの代役としてP.ヘレヴェッヘ指揮カメラータ・ザルツブルクと共演。12年4~5月、紀尾井シンフォニエッタ(指揮:T.フィッシャー)のアメリカ・ツアーに参加、10~11月にはH.シェレンベルガー指揮カメラータ・ザルツブルクの日本ツアーに参加、モーツァルトのピアノ協奏曲全8曲を共演。13年2月、服部譲二指揮ウィーン室内管と共演、ウィーン・デビュー。また10年より15年3月まで、東京、大阪でベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会(全8回)を行った。さらに現在はソロだけでなく室内楽や歌曲伴奏を含むベートーヴェンのすべてのピアノ付き作品を徐々に取り上げる新企画「ベートーヴェン詣」に取り組んでいる。

 録音はソニーから発売している「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第5巻『極限』を含む15枚のCDをはじめ数多い。

 第13回新日鉄音楽賞、04年アメリカ・ワシントン賞、第8回ホテルオークラ音楽賞、第17回出光音楽賞を受賞。14年に第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞、17年に第48回サントリー音楽賞受賞。16年秋、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集完結記念ボックスセットをリリース。2017年から4年にわたり、4つの元素「水・火・風・大地」をテーマにした新リサイタル・シリーズ『Four Elements』を開催し好評を博した。


Official Web Site yu-kosuge.com
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音楽評論家 山野雄大さんよりコメントをいただきました!

心のなかを流れる風を、繊細にとらえて歌うピアノ。水にゆらめく幻の美しさを、深く澄んだ詩情に響かせる、その指先。——ザルツブルク音楽祭など世界的な舞台で喝采を浴びてきた小菅優は、いつもほんとうに忘れがたい(幸せな!)時間を残してくれるピアニストだ。知情のバランスに優れ、豊かな好奇心と溢れる才気で、瑞々しくも確かな音楽を創り続けてきた彼女が、静岡に立つ。ベートーヴェンに燃える炎、シューベルトの歌から溢れ出す果てなき詩情‥‥ドビュッシーや武満徹の精緻な音宇宙、荘厳から感銘がほとばしるフランクの驚き。彼女が紡ぐ〈色彩〉と〈いのち〉が胸ふかく満ちる、至福の体験となるだろう。

スペシャルインタビュー小菅 優

グランシップマガジン「GRANSHIP」vol.27

スペシャルインタビュー小菅 優(PDF)

音楽とは自然にあるもので、必要なもの。音自体が音楽なんです。

多くの演奏家がコンクールの入賞を経て華やかな道を歩む中、演奏活動を軸に国際的な舞台へと登りつめた実力派ピアニスト。
活動内容も実に独創的です。これまでの演奏家人生や来年1月のリサイタルの聞きどころなどをうかがいました。

東京都の緊急事態宣言が解かれた7月はじめ。ドイツに戻る直前の小菅優さんにお話をうかがいました。10歳からドイツで暮らし、日本とドイツを行き来しながら演奏活動を続けています。静岡にも何度か訪れていて、お茶好きなことが判明。和やかな雰囲気で幼少期のお話から始まりました。

 ―初めてピアノを弾いたのは、お母さまの膝の上だったそうですね?
 ピアノを弾く前から母の膝の上でクラシックやジャズのレコードを聴いていたようです。なぜかレコードに針を乗せるのが好きで…。(笑)
母は家でピアノを教えていましたが、母から教わったのはほんの少し。3歳から違う先生に習いました。子供の頃からオーケストラが好きで、演奏会にもたくさん行きました。サントリーホールの開場時に鳴るオルゴールが好きだったので、母が必ずそれに間に合うように連れて行ってくれたことを覚えています。

 ―国際コンクールの入賞を経て活躍する演奏家が多い中、演奏活動を主体に活動を続けてきたのは、どんなお考えがあってのことでしたか?
 15歳の時に初めてCD録音の話をいただいて、16歳の時に2枚目を録音して、という感じで同時にリサイタルも続けているうちに、これが私のやり方なのかなと。当時習っていた先生からも、「君はコンクールに出ないで、コンサートでやっていこう」と言われて、そのアドバイスも大きかったと思います。

―作曲家や楽曲に対して、深く解釈されている印象を受けますが。
 私たち演奏家は伝達者なので、作曲家が何を求めていたか、作品の背景を知ることはとても大事なことだと思っています。だから、作曲家の本を読み、作品の時代背景を勉強します。そして、弾く前に、全部捨てるんです。

―(!)小菅さんの中にすべて取り込まれて、血肉となったのですね。
 はい。コンサートはその場のアイデアや流れがあって弾きますので、解釈などが体に入った状態でなければと思っています。

―昨今の活動が独創的ですね。例えば、アルバム『Four Elements』は水・風・火・大地の4元素をテーマに様々な作曲家の曲を収録していますが、その意図とは?
 『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集』のシリーズと録音の時は、ベートーヴェンの哲学に触れる中で、人間の原点をみなさんと一緒に考えたいという思いから始まりました。その時に、古代ギリシャの哲学とのつながりを感じて、4元素Four Elementsをテーマに、人間の原点をより深く掘り下げつつも、分かりやすいプログラムにしようと考えたんです。
 楽曲もかなり調べました。「水」はたくさんありましたが、「火」にまつわるピアノ曲は少なくて、オーケストラの編曲物が多くなりました。「風」は魂にまで広げ、「大地」で一気に人間に近づいて、人類の歴史や自然を表すストーリーになりました。

―来年1月のリサイタルは、『Four Elements』のダイジェスト的な要素もあるそうですね?
 はい。昨年、『Four Elements』リサイタルシリーズが終わり、2023年からは新しいリサイタルシリーズを始める予定です。その中間地点として、2022年は現在の私を表すリサイタルをすることで、今までのプロジェクトをふりかえつつ、挑戦的でもあるプログラムがいいかと思って。そう考えたら、拠点であるドイツの音楽とフランス音楽を休憩の前後に分け、演奏しようと思いました。『Four Elements』でテーマ別に取り上げたドビュッシーのプレリュードを一遍に弾く構成も楽しみの一つです。

―プログラム後半はベートーヴェンとシューベルト。聴き応えありますね。
 ベートーヴェンの『悲愴』はベートーヴェンの転機にあたるソナタ。そのあとシューベルトの『さすらい人』を弾くことで、ハ短調からハ長調へ、究極の調性でつなぎます。
 こんなこと言うと、お客さまが来なくなってしますかもしれませんが(笑)、シューベルトの楽曲には希望を感じられないというか…。『さすらい人』は明るいと思われがちの長調ですが、決して明るいわけではなくて、例えば第二楽章で出て来る長調のフレーズは短調よりもむしろ悲しい。幸せを求めて夢を見ているけど幸せではなくて…。あまりにも美しいハーモニーの中に脆さを感じます。でも最終楽章では、人間の強さも感じられると思います。

―未来へ勇気をいただけそうです。
 音楽は直接的なものではないので、簡単に「音楽の力」や「元気を与える」などのきれいごとは言えません。でも、作品そのものが素晴らしいので、作曲家の考えを共有し、感じたり、考えたりすることは私たちに必要なことだと思います。

―どの曲も思い入れが強いようですね。
 そうなんです。フランクのプレリュード、コラールとフーガは、日本では初めて弾く曲で、以前から弾きたくて。フランクは、素晴らしい作品が晩年に集中していて、今回の曲もそのひとつです。教会で祈ることを想像できるような、究極の感情が表れていて、死を意識していたのではないかと思うほどです。尊敬するピアニストのラドゥ・ルプーが以前、東京のオペラシティで弾いた時、信じられないぐらい感動して、いずれ弾きたいなと思っていました。

―今後、挑戦してみたいことは?
 音楽を深めていきたいです。特に、企画にとても興味があるので、お客さんに何を伝えたいかを考えて、プログラミングして、テーマ性やストーリーのあるリサイタルを作っていきたいですね。私自身がコンサートへ行くことが好きなので、「自分ならどんなコンサートに行きたいか?」と問います。

―小菅さんにとって音楽とは?
 それこそ4元素と同じです。自然にあるもので必要なもの。音自体が音楽なんです。
 ミュンヘンに住んでいた頃、家の隣が森で、毎日のように散歩していました。樹々の葉が風に揺れる音も、水が流れている音も音楽として体に入ってきます。

―最後に、冊子の愛読者の方々にメッセージをお願いします。
 今は、インターネットで何でも聞けると思われがちですが、私が体験して思ったのは、ライブは全然違うということ。久しぶりにオーケストラのコンサートに足を運んだ時、音が降ってくることが嬉しくてたまらないんですよ。その場で体験することがどれほど素晴らしいかを知ってほしいので、ぜひ足を運んでいただきたいなと思います。


撮影中におもちゃのピアノを見つけた小菅さん。楽しそうに指を動かし笑顔がこぼれました。9歳から演奏活動を始め、とてつもない努力をされてきたと思います。しかし、そんな様子も見せず、むしろ、苦労も含め楽しんでいるようで、心底音楽を愛しているのだと感じました。そんな音楽愛にあるれる小菅さんのリサイタル。ワクワクが止まりません。

ご来場のお客様へ

・発熱または風邪の症状がある方は、ご来場をお控えください。
・会場でのマスク着用、検温、手指のアルコール消毒にご協力ください。
・万が一感染が発生した場合には、お名前、連絡先などを保健所等の公的機関に情報提供する場合があります。
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