公益財団法人 静岡県文化財団は、季刊誌「しずおかの文化」、「しずおかの文化新書」に継ぎ、後世に伝えるべき文化的魅力の掘り起こしとともに、過去から未来を展望する視点に重きを置く新しい書籍、シリーズ「しずおかの文化」を発刊します。
静岡県内図書館や大学・高等学校図書館でご覧いただけます。
また、県内書店やインターネットでも購入できます。
「しずおかの文化」ラインナップ
シリーズ7「ふじのくにの人口史」
静岡県の人口が減少している―――。
本書は、長年歴史人口史を研究してきた鬼頭宏氏が静岡県の人口史および人口減少問題を取り上げ、静岡県の人口が歴史的にどのように推移してきたか、そして将来の人口減少に対してどのような対策が必要かを議論する1冊です。
私たちの「ふじのくに」=静岡県地域(遠江・駿河・伊豆)の人口が歴史的にどのように推移してきたか、また近現代の静岡県の人口動態についてどのように増加してきたのかを統計を通じて概観しています。その上で、今、直面している少子高齢化と人口減少を生み出した背景を探り、将来の人口予測に基づいて、県内の人口減少を抑制するためにはどのような対策が必要かを提言しています。
発行:2023年11月30日
執筆:鬼頭宏
定価:1,500円+税
シリーズ6「ふじのくにの文化財」
静岡県内に所在する国の文化財は、国の有形文化財221件、国の民俗文化財11件、国の記念物86件、国の伝統的建造物群保存地区1地区、また静岡県が指定している文化財は、県指定有形文化財325件、県指定無形文化財1件、県指定民俗文化財58件、県指定記念物165件となっています。
本著では静岡県を伊豆・東部・中部・遠州北部・遠州南部の5つのゾーンに分け、それぞれの特徴的な文化財にスポットを当てており、さまざまな立場の執筆者が独自の視点で取り上げた文化財の紹介を通じ、その地域の文化的特徴を紹介しています。
発行:2023年3月31日
執筆:橋本敬之、松田香代子、鈴木基之、中山正典
定価:1,500円+税
シリーズ5「健康長寿県しずおかの秘密をひも解く」
日本の平均寿命は2019(令和元)年に男性81.41年、女性87.45年となり、世界でもトップクラスです。「平均寿命」は、生まれてから息を引き取るまでの期間を指す言葉であり、その期間には、寝たきりになったり、認知症になったりと、健康でない期間も含まれています。世界保健機関(WHO)は2000年に「健康寿命」をいう言葉を創出し、人生において健康な期間をどれだけ延ばせるか、との考えを提唱しました。
WHOの提言を受け、厚生労働省は2012(平成24)年に初めて都道府県別の健康寿命を発表します。この時、静岡県は健康寿命が女性は全国第1位、男性は第2位でした。静岡県では、健康寿命がなぜ全国トップクラスであるのかを調べ、もっと県民の健康寿命を延ばしたいと大学や関係機関などと様々な議論、研究を進めています。
本書は六部構成とし、様々な立場、専門の異なる著者が、それぞれの個性的な視点で「健康長寿県しずおか」に焦点を当て、健康寿命の延伸のための静岡県、市町、関係団体の地道な取り組み等を紹介します。
発行:2022年12月31日
執筆:尾島 俊之、土屋 厚子、原田 英之、宮地 良樹、中村 美詠子、早坂 信哉
定価:1,500円+税
シリーズ4「うつりゆく駿河湾~人と自然の関わりから見た過去、現在、そして未来~」
本書は三部構成となっており、書きぶりは著者それぞれに個性的ながら、「人と自然の関わり」という軸のもと、駿河湾という海域の歴史や課題、取り組み等が語られます。
「駿河湾の形成と歴史」と題する第一部では、駿河湾の地形・地質や形成史を概説し、周辺で暮らす人々の生活や文化の変遷を、環境考古学的視点でたどっていきます。駿河湾のあらましと歴史を振り返る、本書のベースをなすパートです。
第二部「駿河湾の現状と直面する課題」では、生物多様性や環境問題(海洋プラスチック汚染)、自然災害に焦点を当て、今を見つめ、これからの向き合い方を考えていく、ミュージアム的視点の王道をいく内容となりました。なかでも環境問題と自然災害の稿は示唆に富み、必読です。
第三部のテーマは「活用」。自然の恵みに生かされる私たちですが、利用可能な資源は無尽蔵ではありません。ここでは、駿河湾の恵みでもとくに「文化的資源」「海洋生物資源」について、その特性や豊かさ、持続可能な活用に向けた取り組みなどを紹介していきます。
発行:2022年7月31日
執筆:渋川 浩一、 中西 利典、日下 宗一郎、山田 和芳、菅原 大助、岡本 一利、橋本 正洋、印南 敏秀、渡邊 眞一郎、後藤 義正
定価:1,500円+税
シリーズ3「駿河と甲斐の蜜月時代がやってくる~中部横断自動車道が描く静岡と山梨の未来像~」
静岡県は東海道をはじめとして東名高速道路、東海道新幹線と東西方向の印象が強かったが、中部横断自動車道の整備により、従来のネットワークに南北方向が加わることで新たな経済圏の形成や人々の交流が期待されます。
往古より、静岡県(駿河国)と山梨県(甲斐国)との関係は深く、塩やコメをはじめとする食糧や地場産品、さらには文化交流や信仰を背景とした人の行き来が絶えたことがありませんでした。第一部では、古代から近現代に至るまでの両県域を結んできた主要交通路とその周辺の歴史や交流を振り返ります。
第二部では中部横断自動車道の事業経緯と、データに基づく現在および未来像についてまとめていき、第三部では、静岡・山梨それぞれの立場での展望と期待を、中部横断自動車道に関わる山梨総合研究所と清水港利用促進協会のお二人のインタビューを通して紹介します。
発行:2021年3月31日
執筆:ことのは社編集部、玉置 実(一般財団法人 静岡経済研究所)
定価:1,500円+税
シリーズ2「清水港 ~これまで・今・これから~」
令和元年、開港一二〇年を迎えた清水港。古代から江戸時代までの前史清水港と、明治以降から現代までの回路としての清水港を振り返るとともに、これからの可能性を探ります。
清水港には様々な歴史の顔が登場します。江戸時代には、巴川の河口が港として拓かれ、江戸や大坂を結ぶ重要な拠点となります。そこでは主に米や塩が扱われ、多くの千石船が行き交っていました。
明治になると現在の日の出ドリームパークのあたりに波止場が造られ、港の整備が急ピッチで進みます。明治三十二( 一八九九) 年には開港場となり外国との貿易が本格的に始まり、明治三十九( 一九〇六) 年には静岡茶が初めて米国に輸出されることで、静岡の顔・日本の顔を作っていきます。大正十二( 一九二三) 年には、関東大震災の憂き目に遭い、大量の復興資材が移動する港としても機能しました。時代は下って昭和五( 一九三〇) 年には、マグロの油漬け缶詰の輸出が始まり、米国人に人気を博します。昭和十六( 一九四一) 年には太平洋戦争が勃発、清水港もその機能の七割を失うという甚大なる被害を受けました。その後、地元企業や住民の力が一つになって復興、昭和二十七( 一九五二) 年には、国の特定重要港湾に指定されました。昭和四十五( 一九七〇) 年 大阪万博の年には初のコンテナ船が入港、平成二( 一九九〇) 年には豪華客船クイーン・エリザベスII が港に入ると、これをきっかけに多くの豪華客船が入港するようになります。さらに、平成十一( 一九九九) 年 開港一〇〇周年をきっかけにエスパルスドリームプラザや清水マリンパークの拠点整備が行われ、国内のみならず海外からの観光客で賑わう一大スポットとして注目を集めることになります。平成十八( 二〇〇六) 年 静岡茶輸出100 周年という重要な年を迎え、平成二十三( 二〇一一) 年には、いよいよ国際拠点港湾に指定され、益々重要な港として成長を遂げています。
令和元年、清水港は開港一二〇周年を迎えました。本書を、清水港の〜これまで・今・これから〜を覗くスコープとして活用し、海洋文化都市・静岡について更に理解を深めていただければ幸いです。
発行:2019年6月30日
編者:「しずおかの文化」編集部編
定価:1,500円+税
シリーズ1「徳川将軍と富士山」
新進気鋭の研究者たちが「徳川将軍と富士山」という、当たり前のようでいて意外に奥の深いテーマで書き下ろした一冊。近世史と静岡の歴史への新しい切り口を楽しめる内容となっています。
第一部では徳川歴代将軍の人物像や、宝永大災害以降の富士山との関わり、明治期の徳川家と静岡についてなど、第二部では「美術史」「和歌」「建築」「食」「天井画」といった文化的側面から、写真や図版を併用しつつ、徳川将軍と富士山の関係について考察します。
巻頭の口絵( カラーページ)には、徳川将軍と富士山にまつわる貴重な資料や画像を多数掲載。これまでになかったユニークな視点から捉えた「徳川将軍」と「富士山」の関係は、歴史マニア、富士山マニアはもちろん、一般読者の知的好奇心も大いに刺激してくれます。
発行:2019年5月1日
編者:公益財団法人 徳川記念財団、静岡県富士山世界遺産センター
定価:1,600円+税
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