この事業は終了しました
静岡県内ではグランシップだけでお楽しみいただけます!
人形浄瑠璃 文楽
名作と三位一体の業をぜひ間近でごらんください。
日時 |
2012年10月14日(日) 昼の部:13:30開演 夜の部:18:30開演 |
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会場 |
中ホール・大地 全席指定 |
料金 |
1回券:一般3,500円 学生1,000円 昼夜通し券:6,300円 ※一般のみ、昼夜通し券は電話予約またはグランシップチケットセンター窓口のみ |
主催 | 財団法人静岡県文化財団、静岡県、財団法人文楽協会 |
後援 | 文化庁、静岡県教育委員会 |
協力 | (株)紺文 |
問合せ | グランシップチケットセンター TEL054-289-9000 |
ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、日本が世界に誇る「人形浄瑠璃 文楽」。
静岡県内ではグランシップだけでの上演という貴重な機会です。
男性だけで演じられているとは思えないほど、その人形の佇まいはしなやかで美しく、観るものの心は奪われるほどです。
今年も人気の名作を取りそろえての上演です。
【昼の部】 桂川連理柵 ~六角堂の段 ~帯屋の段 ~道行朧の桂川
【夜の部】 二人禿 義経千本桜 ~すしやの段
当日お着物でご来場の方には粗品プレゼント!
【鶴澤清治休演のお知らせ】
★9/3(月)には山川静夫さんの分かりやすい事前レクチャーも! 【終了しました】
https://www.granship.or.jp/audience/event.php?id=461
【当日券は12時より中ホール前にて販売開始!】
あらすじ
【昼の部】
桂川連理柵 ~六角堂の段 ~帯屋の段 ~道行朧の桂川
親子ほど年の離れた男女の心中という異色作です。1761年に桂川(京都)で遺体で見つかった成人男性と少女。強盗に殺されたともあり、事件の真相は不明ですが、浄瑠璃ではすぐに心中として取り上げました。本作は、安永5年(1776)、北堀江市の側芝居で初演された菅専助の上下二巻の世話物で、今回は下の巻(六角堂、帯屋)と後に捕われた道行をお楽しみ頂きます。
信濃屋の娘お半は14歳。長右衛門は、お半の父が拾って育てた捨て子で、後に隣家の帯屋繁斎の養子となり、現在、妻のお絹と店を守る38歳。この二人が、ある日旅先で偶然に出会い、同宿して図らずも関係し、お半は妊娠……。
この関係を暴き立て、長右衛門を追い出そうと画策したのが、店の乗っ取りを企む繁斎の後妻おとせと連れ子の儀兵衛。“長様”宛てのお半の手紙を証拠に持ち出しますが、夫を救おうとするお絹の計らいで、お半に惚れる信濃屋の丁稚長吉が恋の相手“長様”と名乗り出て失敗しました。
お半が妊娠したとは知らないものの、長右衛門の苦しい胸の内を思い、自害を恐れ、何とか堪えて生きてほしいと願う養父と妻。が、それも空しく、恩人の娘を妊娠させた身を責め、他にも生きてはいられない難題を抱えた長右衛門は、既に死を覚悟していました。お半もまた、妊娠に悩み、幼いころから慕って来た長右衛門への思いも捨てられず、桂川で身投げしようと、遺書を残して家出。長右衛門はお半との死を選び、後を追うのでした。
山場となる「帯屋」は、洟垂れ丁稚と儀兵衛のやり取りに笑わされ、夫婦、親子の情愛や長右衛門の苦悩に胸打たれる、変化に富んだ、見応え、聞き応えのある舞台です。
【夜の部】
二人禿
二人の禿が羽根をつき、鞠をついて遊ぶ今日の遊郭・島原の情景を描いた、愛らしい景事で、昭和16年(1941)、四ツ橋文楽座で初演されました。
義経千本桜 ~すしやの段
『平家物語』によれば、一の谷の合戦後ひそかに屋島を離れ、都に残した妻子を慕いつつ、高野山で出家、那智の沖で入水した平維盛。本作は、竹田出雲(二代目)、三好松洛、並木千柳合作の五段の時代物で、今回ご覧頂く三段目は維盛にまつわる物語です。人形浄瑠璃の黄金期、延享4年(1747)に竹本座で初演、浄瑠璃三大傑作の一つに数えられています。
平家滅亡後、都近くに隠れ住む維盛の御台は、夫が高野にいるとの噂を聞き、家来の小金吾に伴われ、若君を連れて高野へ。途中、吉野でいがみの権太に金をゆすり取られ、小金吾は追っ手に討たれました。
さて、維盛は、平家に恩のある釣瓶鮓屋の弥左衛門も匿われ、弥助と名乗っていますが、何も知らない娘お里が惚れ、弥左衛門は娘を宮仕えに出す心で今夜弥助と祝言させることに。このお里の兄が、勘当されたどら息子の権太。父の留守を狙って甘い母を騙し、金を手に入れたものの、父の帰宅に慌てて身を隠します。弥左衛門が人知れず持ち帰ったのは、道で死んでいた小金吾の首、これで弥助の正体を見抜いた源氏方を欺くつもりでした。
その夜、弥助と夫婦になる喜びでいっぱいのお里が一人先に寝入った後、偶然にも御台が助けを求め、夫と再会。娘の恋に応じたのは匿ってくれた父親への返礼。義理だったとの維盛の言葉に慟哭するお里……。そこへ、詮議の知らせが。権太は金を隠した鮓桶(実は父が首を隠した桶)を手に、お里が逃がした維盛夫婦を追い、やがて戻ると討ち取った維盛の首、捕らえた御台と若君とを敵に渡し、褒美の金を要求。敵が去るや、激怒して権太を刺す父。けれども、たまたま弥助の正体に気づき、これを機に改心して維盛を救おうと決意、例の金も維盛の路銀にするつもりだった権太が敵に渡したのは、桶の中に見つけた小金吾の首であり、御台、若君と見えたのは、愛してやまない妻と子でした。無事な姿を見せた維盛は髻を切り、家族と別れ、高野へ向かいます。
愛しい人の愛が幻だったことを知った娘の深い悲しみ、妻子を犠牲にした、悪で知られら男の悲願が、心に迫る名作です。