この事業は終了しました
フルオーケストラによる完結編!
NHK交響楽団×野平一郎プロジェクト シリーズⅢ
~ロマン派から印象派へ+野平一郎 静岡トリロジーⅢ「瞬間と永遠の歌」~
日時 | 2022年3月6日(日)17:00開演(16:15開場) |
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会場 |
中ホール・大地 |
料金 |
【2/27(日)10:00より直前割引開始!】 全席指定/S席7,500円⇒6,000円、A席6,500円⇒5,200円、こども・学生1,000円 ※こども・学生は28歳以下の学生。未就学児入場不可。 |
主催 | 公益財団法人静岡県文化財団・静岡県 |
後援 | 静岡県教育委員会・静岡市教育委員会 |
問合せ |
グランシップチケットセンター TEL.054-289-9000 |
ついに完結!NHK交響楽団と野平一郎のプロジェクトシリーズ第3弾。
世界で活躍する作曲家・ピアニストの野平一郎(静岡音楽館AOI芸術監督)が、静岡県のために作曲した三部作を締めくくる「静岡トリロジーⅢ『瞬間と永遠の歌』」(公益財団法人静岡県文化財団委嘱作品)をNHK交響楽団の演奏で世界初演します。
楽曲中には、静岡県出身の詩人・大岡信の詩から生まれた詞が登場し、静岡の子どもたちの歌声によって未来へ繋がれていきます。
また、このプロジェクトでは音楽の歴史を辿り、時代ごとの名曲をお届けしてきました。
今回は、ロマン派から印象派へ向かう時代に生まれ、音楽の歴史を彩った選りすぐりの三曲をN響の演奏でお楽しみください。
【出演】
指揮:野平一郎
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:静岡児童合唱団・青葉会スペリオル*
【曲目】
ビゼー:「アルルの女」第2組曲
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ラ・ヴァルス
野平一郎:静岡トリロジーⅢ(詞:大岡信の詩より)* ※公益財団法人静岡県文化財団委嘱作品
■「静岡トリロジーⅢ」をより深く味わうために。曲に込めた思いを、作曲者自らが語る!
NHK交響楽団×野平一郎プロジェクト シリーズⅢ 事前レクチャー
野平一郎のオーケストラ塾~「静岡トリロジー」完結へ。その壮大な道のりを紐解く~
日時:2022年1月10日(月・祝)14:00~15:30(13:30開場)
〈この催しは終了しました。当日の様子はこちらから。〉
◆1/12(水)よりアーカイブ動画を販売!(申込締切:2/25(金)17:00)◆
■NHK交響楽団×野平一郎プロジェクト
静岡県の文化プログラムとして始まった、グランシップが日本を代表するオーケストラ、NHK交響楽団とお届けするコンサートシリーズ。
本シリーズでは、国際的に活躍する作曲家・ピアニストの野平一郎氏に、グランシップが委嘱した「静岡トリロジー(三部作)」を、2018年より一作ずつ世界初演しています。
野平氏は、駿河湾の深い海から富士山へと押し上がる静岡という大空間、それを育んだとてつもない時間を、三部作を通した道のりで表現。一作目「記憶と対話」(2018年)、二作目「終わりなき旅」(2019年)を心に響く演奏で披露してきました。今回はこの大作の三作目である完結編「瞬間と永遠の歌」を発表します。野平氏がこれまで追求してきた「響の集大成」として静岡の歴史に残る作品になるに違いありません。
このプロジェクトは静岡から全国に、そして世界に発信する大きな文化的財産となることを目指しています。
第一回目(2018年3月3日開催)、第二回目(2019年3月24日開催)の様子もご覧ください。
【新型コロナウイルス感染拡大防止について、お客様へのお願い】
・発熱または風邪症状がある方は、ご来場をお控えください。
・マスク着用、検温、手指のアルコール消毒にご協力ください。
・万が一感染が発生した場合には、お名前、連絡先などを保健所等の公的機関に情報提供する場合があります。
・会場内では他のお客様との距離を保ち、会話はお控えください。
・新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、本公演を変更中止する場合や、[お客様へのお願い]の内容を変更する場合がありますので、必ずグランシップホームページをご確認の上、ご来場ください。
イベント時の感染防止策チェックリスト
野平一郎(指揮)
東京藝術大学大学院修了後、パリ国立高等音楽院に学ぶ。ピアニストとして、ソロ、オーケストラとの共演などを重ねる一方、室内楽奏者としても内外の名手たちと数多く共演する。150曲に及ぶ作品の中には、フランス文化省、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、ベルリン・ドイツ交響楽団、モントリオール交響楽団、国立劇場(日本)等からの委嘱作品がある。第13回中島健蔵音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞、第55回芸術選奨文部科学大臣賞、第44回、第61回尾高賞を受賞。2012年紫綬褒章受章。2018年度日本芸術院賞受賞。現在、静岡音楽館AOI芸術監督、東京文化会館音楽監督。東京藝術大学名誉教授、東京音楽大学教授。
NHK交響楽団(管弦楽)
NHK交響楽団は、年間54回の定期公演をはじめ、全国各地で約120回のコンサートを行い、その演奏は、NHKのテレビ、FM放送で日本全国に放送されるとともに、国際放送を通じて全世界にも紹介されている。また、2013年8月にはザルツブルク音楽祭に初出演、2020年春にベルリン、ウィーンをはじめ、ヨーロッパ主要9都市で公演を行うなど、その活動ぶりと演奏は国際的にも高い評価を得ている。
近年は次世代を育てる教育プログラムとして、オーケストラの人材を育成する「N響アカデミー」、全国の学校を訪問し身近に音楽の楽しさを提供する「NHKこども音楽クラブ」など多彩な活動を行っている。
コロナ禍の影響により2020年シーズンの定期公演はすべて中止せざるを得なかった。しかし、専門家の監修のもと「N響感染対策ガイドライン」をいち早く作成し、それに則って「特別公演」を毎月開催。制約の多い日々を過ごす人々に演奏会場や放送を通じて音楽を届け続けた。
指揮者陣には、首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージ、正指揮者 外山雄三、尾高忠明を擁している。
静岡児童合唱団・青葉会スペリオル(合唱)[主宰:戸﨑裕子、指導:戸﨑文葉]
開催レポート
3月6日(日)「NHK交響楽団×野平一郎プロジェクト フル・オーケストラによる完結編」を開催しました。
多くの拍手に包まれて、3月6日(日)「静岡トリロジーⅢ 瞬間と永遠の歌」が世界初演され、「NHK交響楽団×野平一郎プロジェクト」がついに完結。足掛け6年以上に渡る大プロジェクトがフィナーレを迎えました。
このプロジェクトは、静岡県の文化プログラムとして始まり、静岡県文化財団が、国際的に活躍する作曲家でピアニストの野平一郎さんに作曲を委嘱。静岡県から世界に発信する文化的財産となることを目指し取り組んできました。
2018年に第一作「記憶と対話~弦楽オーケストラとチェンバロのための~」、2019年に第二作「終わりなき旅」をNHK交響楽団の演奏で発表。そして2020年に第三作目を発表する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により延期に。そして今回ようやく開催が実現しました。
公演前日には出演者全員が揃い「静岡トリロジーⅢ」のリハーサルを行いました。今回の公演で野平さんは指揮者として、N響と合唱団に細かく指示を伝えます。
そして迎えた本番。音楽ファンの皆さんが見守る中、演奏会が始まりました。
このプロジェクトでは、クラシック音楽の歴史を辿り、時代を代表する名曲もお届けしてきました。今回はロマン派から印象派の名作として、ビゼー「アルルの女」第2組曲、ラヴェル「ラ・ヴァルス」、そして野平さんが幼いころから敬愛し、特別な響きだと感じていたというドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」を披露。どれも表現力の高さが際立つ圧巻の演奏でした。
そして第二部はいよいよ「静岡トリロジーⅢ」。第一作では弦楽器とチェンバロの13名、第二作では管弦楽奏者30名での演奏でしたが、今回はフル・オーケストラで登場。回を追うごとに編成が大きくなることも、この三部作の特徴です。
また、「静岡トリロジーⅢ」では前二作にはなかった合唱パートも。
その歌詞は静岡県出身の詩人・大岡信さんの5編の詩から抜粋されたものです。学生時代から大岡さんの詩を愛読してきた野平さん。その詩を「極めて音楽的」と語ります。静岡児童合唱団・青葉会スペリオルの皆さんは、この日までに練習を重ねて本番を迎えました。
オーケストラが揃ったところで野平さんが合図をすると、合唱団が両手に持った石を打ち鳴らしながら歩いてステージに登場。演奏が進むにつれ、今度は石を木片に持ち替え音を出します。石や木による原始的な音と、究極的に洗練されたオーケストラの響きが対比される印象的なシーンでした。
オーケストラの奏でる響きが、いくつもの層のように重なったり縺れ合ったり。遠ざかったと思えば、突然迫りくるような緊張感があったり。規則性や「どこからどこまで」という約束事もない中で、様々な感覚を呼び起こす響きが次々と生まれていきます。
ラストでは大岡信さんの詩「産卵せよ富士」から抜粋した歌詞のイメージも伴い、富士山が秘めている大きなエネルギーが鳴動するように盛り上がり、合唱団の掛け声に合わせて、指揮者もオーケストラも静止。一瞬ですが、絵画のように記憶に残る光景でした。
多くの方のご協力に支えられ完成した「静岡トリロジー」。この静岡発の音楽が世界へはばたき、様々な人に届くことを心から願っています。
≪終演後≫
静岡児童合唱団の皆さんから、野平さんとN響コンサートマスターの伊藤亮太郎さんに歌のプレゼントが贈られました!
写真:グランシップ撮影サポーター 石橋健次・服部益躬、グランシップ職員
「静岡トリロジー」完結編へ向けて、「野平一郎のオーケストラ塾」を開催!
2022年01月11日(火)
3/6(日)の公益財団法人静岡県文化財団委嘱作品「静岡トリロジー」世界初演を前に、1/10(月・祝)、「野平一郎のオーケストラ塾」を開催しました。
静岡から世界へ文化を発信する試みとして、国際的に活躍する作曲家・野平一郎さんが5年以上の歳月をかけて静岡県のために作曲した「静岡トリロジー」。「トリロジー」とは「三部作」を意味し、2018年3月には第一作目「記憶と対話~弦楽オーケストラとチェンバロのための~」を、2019年3月には「終わりなき旅」を、いずれもNHK交響楽団の演奏で世界初演しました。
そして2022年3月、壮大なプロジェクトがついに完結します。
今回はこれまで発表された作品を映像を交えながら振り返りつつ、三作目「瞬間と永遠の歌」をより楽しむためのレクチャーとして開催しました。
全作品に共通するアイデアとして、弦楽器の開放弦が放つ独特の音色、音のゆがみが挙げられました。こうした音は、繰り返されながらも同じ音にはならず、ゆらぎながら複雑に変化し続けます。そうした響きを野平さんは「日本的・伝統的」と表現しました。
また、複数の楽器がユニゾンからはじまりながらも、それぞれの個性を持った音に分岐していく点も通底するモチーフとして挙げられました。こうした表現には高度な技術が必要とされますが、NHK交響楽団がどのように演奏するのか、興味と期待が高まります。
また、古代と現代を音で対比するシーンなど、第三作目で披露されるアイデアも教えていただきました。「静岡トリロジーⅢ」は、これまでにない新しい響きに出会える演奏会になりそうです。
なお、「静岡トリロジーⅢ」には前二作にはなかった合唱が登場。静岡県出身の詩人・大岡信さんの富士山にまつわる詩から抜粋した歌詞を、静岡児童合唱団・青葉会スペリオルの皆さんの歌声でお届けします。
レクチャーの後には、野平さん指揮のもと合唱の練習会を行いました。歌詞を区切る箇所や声の伸ばし方など、細かい部分も丁寧に確認しました。
「この部分は自分が楽器になったような感じで」、「和音の中で遊ぶように」と野平さんが歌のイメージを伝えると、子どもたちもすぐに歌声で応えます。実際の歌声を聴きながら、表現方法や歌い方を決めることも。和やかながら集中した空気の中、練習を進めました。
3月の公演では、合唱パートにもぜひご注目ください。
写真:グランシップサポーター 猪熊康夫、グランシップ職員