【定員に達しましたので締め切りました】
2/6に発刊される「しずおかの文化新書」最新刊「湧水―富士山に消える24億トンの水の行方―」の内容に連動した体感ツアー。
日本一高い富士山には、年間約24億トンもの湧水があります。
その豊富な水を利用して、さまざまなものが生み出されています。それは自然、食文化、自然エネルギーなど多数です。
今回の体感ツアーでは富士山西麓を流れる芝川の源流からたどり、改めて富士山の湧水に触れ、学ぶことができます。
途中立ち寄る酒造では、年に1度の蔵開きのにぎわいを楽しむこともできます。
【予定コース】
静岡駅出発(富士川駅経由)→静岡県水産技術研究所富士養鱒場→田丸屋のわさび田・陣馬の滝→内野発電所→田貫湖畔にて昼食→旧半野村の水神→富士錦酒造(蔵開き)→柚野手漉和紙工房→静岡駅着(富士川駅)
【講師】 八木洋行(「しずおかの文化新書」編集長)
開催レポート
しずおかの文化体感ツアー「富士山の恵み~母なる川・芝川を巡る~」
2012年03月19日(月)
先日発売されたばかりのしずおかの文化新書「湧水~富士山に消える24億トンの水の行方~」に連動した体感ツアーを開催しました。
こちらは「シリーズ富士山」の第二弾。前回も好評だったためか、ツアーの募集開始後早々に予約がいっぱいになってしまいました。
お断りさせていただいた方、本当に申し訳ございません。
今回も講師はしずおかの文化新書編集長の八木洋行先生。
訪れる地名の由来なども歴史的観点からいろいろと分かりやすくお話してくれたり、本当に生字引のようです。
バスの中も満席。
静岡駅から富士川駅を経由して、まず訪れたのは静岡県水産技術研究所富士養鱒場。
富士山の湧水を利用して、たくさんの鱒が飼育されています。
また、敷地内には芝川の源流地点があります。
青い看板のところがその地点。ここから湧水が湧いていて、川となって流れています。
ちなみに富士山に降った雪や雨が地表に湧きだすまでには15年という年月がかかります。
今私たちが見ている湧水は、15年前の雪か雨ということです。
富士山はスポンジ状になっているので、ゆっくりとそれがしみ込んでいって、湧水地から湧いてきます。
富士山周辺はその湧水を利用した、文化が発達しました。
自然の恵みや食文化もそのひとつ。
続いてはしずおかの名産のわさびを育てているわさび田へ。
こちらも湧水を利用していますが、年間を通して水温が一定なので安定した出荷ができるそうです。でも育てたわさびのほとんどは築地市場で取引され、首都圏のお寿司屋さんやお蕎麦屋さんで使われるようです。
ただし、わさびの茎などはわさび漬けにされて静岡県でも食されます。
採れたわさびをその場ですりおろして味見。鮫肌とおろし金では、色も味も変わってきます。
続いて、すぐ近くの陣馬の滝。
岩の間から水が流れています。
富士山周辺では水力を利用した発電所もあり、水の恵みが電気になって私たちの生活に役立てられます。
また、芝川ではかつて芝川海苔が取れ、鎌倉幕府に献上されたという記録もあります。
しかし、今ではほとんど取れず流通はしていません。
昭和20年ころまで、採取区間を決めたり海苔の入札をしていたという水神様も見学しました。
また、午後からは富士宮市の富士錦酒造さんの蔵開きへお邪魔しました。
富士山の湧水を利用して古くからここでお酒を造られています。
蔵開きはお祭りのごとく、たくさんのお客様でいっぱい。
この日だけは蔵の中を見学させていただくことができ、新酒の試飲も。
みなさん少しの間ですが、おたのしみいただいたようです。
そして今回のツアーの最後は手漉き和紙の工房。
富士山の湧水にひかれてこの地で工房を開かれています。
和紙の作る工程などを分かりやすく教えていただきました。
参加されたみなさんも色々興味深く見学しました。
今回もたくさんの方に参加していただいて無事に終了しました。
しずおかの文化新書は、静岡県内各書店やAmazonなどでも販売しています。
1冊500円。
静岡県にまつわるテーマをひとつ取り上げて、さまざまな視点から取り上げています。
文章も分かりやすく、どんどん読み進められる新書です。
今後も発行に合わせて講演会やツアーなどを開催しますので、ぜひホームページなどでチェックしてくださいね!