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伝統芸能の継承
上質で多彩な鑑賞
開催レポート
伝統芸能
能楽

グランシップ伝統芸能シリーズ
グランシップ静岡能
宝生流第二十代宗家出演による本格的な能楽公演

日時 2018年1月27日(土)14:00開演(13:30開場)
会場 中ホール・大地
料金 一般5,100円 こども・学生1,000円 ※未就学児入場不可
【直前割引実施中】 
一般5,100円⇒4,080円



<御殿場・裾野・三島発!鑑賞バスツアー> 【バスツアーは受付終了しました】
『焼津港の豪華ランチ付き!久能山石垣いちご狩り&グランシップ静岡能公演ツアー』
御殿場市民会館(8:00)⇒裾野駅(8:35)⇒三島駅(8:50)⇒久能山石垣いちご狩り⇒焼津港金寿司(昼食)⇒「グランシップ静岡能」鑑賞(14:00頃)⇒三島駅(18:15頃)⇒裾野駅(18:35頃)⇒御殿場市民会館(19:10頃)

出発日:2018年1月27日(土)
旅行代金:おひとり様 15,980円(昼食代、チケット代、バス代、体験料含む)
最少催行人数:27名
添乗員有

申込・問い合わせ:TEL0550-88-5771  FAX0550-88-5773
企画・主催:御殿場総合サービス株式会社 旅行事業部
http://fujisan-mikuriyanotabi.jp/

チラシはこちら
主催 公益財団法人静岡県文化財団、静岡県、静岡県能楽協会、静岡新聞社・静岡放送
後援 静岡県教育委員会
協力 株式会社紺文シルク、浮月楼

舞台美術・演出:辻雄貴
舞台美術特別協力:千住 博
舞台美術協力:軽井沢千住博美術館
問合せ グランシップチケットセンター TEL.054-289-9000


半蔀

鉄輪

「伝統芸能にみる“恋”」をテーマに開催した今年度の「グランシップ伝統芸能シリーズ」。
シリーズを締めくくる「グランシップ静岡能」では、光源氏に対する夕顔の恋心や人生の儚さを題材にした『半蔀』と、夫に捨てられた女が恨みの末に鬼女となり、陰陽師・安部晴明との迫力ある場面を繰り広げるのが印象的な『鉄輪』を上演。女性の様々な想いが、距離や時空を超えて生き続ける見どころにあふれた演目です。

能:「半蔀」 シテ佐野 登
  「鉄輪」 シテ宝生和英

狂言:「水汲」 三宅右矩

番組表はこちら


デジタルチラシ
http://www.shizuoka-ebooks.jp/?post_type=bookinfo&p=6905
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また、今回は静岡県出身の華道家・辻雄貴氏が『鉄輪』の世界観を表現するため、国際的に活躍する日本画家・千住博氏の協力を得て、日本の原風景をイメージした能舞台を演出します。

<舞台美術・演出> 辻 雄貴(つじ ゆうき) 【華道家】

1983年静岡県出身。工学院大学大学院工学研究科建築学専攻、修士課程修了。辻雄貴空間研究所主宰。建築という土台を持ちながら追及する「いけばな」は、既存の枠組みを超えて、建築デザイン、舞台美術、彫刻、プロダクトデザインなど独自の空間を芸術として演出される。人と建築と植物、三つの関係性のもと植物の生命力と人間の創造力を融合させた空間表現は他に類がない。2013年フランスにて「世阿弥生誕650年観阿弥生誕680年記念フェ―ル城能公演」の舞台美術を手がける。2016年ニューヨークカーネギーホール主催公演にていけばなを披露。近年は国内外を問わず様々なブランドとアートワークを発表。世界を舞台に、日本の自然観・美意識を表現している。

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<舞台美術特別協力> 千住 博(せんじゅ ひろし) 【日本画家】

東京藝術大学大学院博士課程単位取得満期退学。1995年ヴェネツィアビエンナーレで東洋人初の名誉賞、2002年MOA岡田茂吉賞大賞を受賞。2005年ミラノサローネ、2006年光州ビエンナーレ、2011年成都ビエンナーレ、2013年瀬戸内国際芸術祭、2015年第56回ヴェネツィアビエンナーレなどに出品。展覧会の他、米・フィラデルフィア「松風荘」襖絵、京都・「大徳寺聚光院」襖絵、東京国際空港やAPEC JAPAN首脳会談のアートディレクションなど、活動は国際的で多岐に渡る。近年には2016年平成28年度外務大臣表彰、2017年イサム・ノグチ賞などを受賞。長野県軽井沢市に2011年に開館した軽井沢千住博美術館がある。
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※演出の都合上、通常の能楽公演よりも客席が暗くなる場合があります。
また、開演後の入場については少しお待ちいただくこともありますので、ご了承ください。



【関連イベント】 グランシップ×d-labo静岡タイアップセミナー
「宝生流第二十代宗家・宝生和英が描く能楽の未来」

1/26(金)18:00~19:00
会場/d-labo静岡(静岡市葵区呉服町2-1-5 ANNEX静岡伊勢丹3F)
詳しくはこちら↓
https://www.granship.or.jp/files/data/000517.pdf



半蔀(はしとみ)

京の都は初秋の北山紫野の雲林院辺りにて、一夏安居の修行にいそしむ僧侶があります。安居も終わりに近づいたので、草花を取り集め立花供養を行っていると、一人の女が現れ、一本の白い夕顔の花を立て供養に加えます。僧が名を問うと、今はこの世には無く、五条のあたりに住んだ夕顔であると言いのこし、立花の陰に隠れ消えます。
僧が女の言葉を頼りに五条のあたりへ来ると、夕顔の霊が草の半蔀を押し開け姿をあらわします。
夕顔の霊は、昔源氏の中将がここを訪れた際に、夕顔の花を差し上げたところ、源氏が一首の歌を詠じ、それが縁で契りを結んだことなどを語りながら、夜通し舞を舞っていますが、暁を告げる鶏の声や鐘の音が聞こえると、名残惜しげに半蔀の中に姿を消します。

鉄輪(かなわ)

貴船神社に仕える社人が、ある日夢に「都より丑の刻詣でをする女の願を叶える」とのお告げを受けます。社人は、そのお告げを知らせようと女を待っています。
そこに、笠を被った女が夫の不実を嘆きながら、丑の刻詣でにやってきます。社人は、鉄輪の三足に火を灯して頭に載せ、顔に丹を塗り、赤い衣を着れば、そのまま鬼女になり、願いが叶うと告げます。女は喜び、まず家へ帰ろうと早くも気色を変えつつも去って行きます。
さて、夫は続けて夢見が悪いので、安倍晴明のもとで占なってもらおうとやってきます。すると女の恨みで今夜にも命が危ないといわれます。夫は、じつは本妻を離別して新しい妻を貰ったが、さてはその事が禍となっているのではといい、晴明に祈祷を頼みます。晴明が祈っていると、風雨烈しく雷鳴とどろき果たして鬼女が現れ、枕辺により男の命をとって行こうとしますが、祈祷の法力にて三十番神に攻め立てられ、ついには神通力も弱まり、時節を待とうとの声だけ聞こえ姿は見えなくなって行きます。

【狂言】水汲(みずくみ)

寺の門前に住むいちゃ(小娘)が野中の清水に濯ぎ物をしているところに、新発意(寺の小坊主)が茶の水を汲みにやってきます。新発意はいちゃに日頃から想いを寄せているものの、いっこうに返答がありません。新発意は今日を好期と、いちゃに対して自分の代わりに水を汲んで欲しいと頼み、ついでに小歌も謡ってくれるように所望します。いちゃはつれない素振りにも、水を汲みながら小歌を歌い始めますが・・・。

開催レポート

1/27(日)は「グランシップ静岡能」へ。~能「葵上 古式」の“古式”って何?~

宝生流第二十代宗家・宝生和英が描く能楽の未来
宝生流第二十代宗家・宝生和英が描く能楽の未来

毎年1月の恒例として開催している「グランシップ静岡能」。2019年は観世流能楽師による能「安宅」と「葵上 古式」を上演します。
今回は、能「葵上 古式」についてご紹介。
能「葵上」は、源氏物語を題材に構成。光源氏の正妻、葵上が源氏の愛人の六条御息所の嫉妬と怨念で病に伏せてしまうお話です。

今回、「グランシップ静岡能」で上演される演目には“古式”とついていますが、こちらはどういったことなのでしょうか。
“古式”では、「破れ車」と「青女房」が出るということが現行と大きく異なる点。謡や型が大きく異なることはありませんが、演出としてはっきりとしたものが視覚的に入ることで、お芝居としての魅力が高まります。
舞台ではよく、「ここに、これがあることとしましょう」という舞台と客席の暗黙の了解でストーリーが進むということがありますが、初めて観る方や、古い言葉が聞き取りにくく難しいという方には、こちらの方がより分かりやすくなるかもしれません。

「葵上」では、葵上本人が人物として登場するのではなく、舞台上に置かれた小袖で表現されており、その小袖が無抵抗のまま物の怪に取りつかれて苦しんでいる様子が表されています。舞台上のものや人物で物語が表現される一方、登場人物の内面の感情や深みは能楽師からにじみ出てくるものとして、客席のみなさんは想像力を働かせてみるのが鑑賞の醍醐味かもしれません。

女性ならではの感情、やり場のない辛さが募る御息所に対して、観客は怒りではなく憐れみを感じてしまうのも不思議なところ。
演目名は「葵上」ですが、六条御息所の嫉妬や自己承認欲などの複雑な感情、最後には怨念に支配されていた悪心が消滅していくという御息所の心の変化を表した作品です。

誰もがどこかに持っている負の感情を、敢えて作品にすることも能楽らしい切り口。
お芝居を楽しむ気持ちで、気軽にグランシップで能楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「グランシップ静岡能」
1/27(日)14:00開演  グランシップ 中ホール・大地
全席指定/一般5,100円 こども・学生1,000円 <チケット発売中!>




d-labo静岡にて、「宝生流第二十代宗家・宝生和英が描く能楽の未来」を開催!

2018年01月27日(土)

グランシップとd-labo静岡様とのタイアップセミナーとして、1/26(金)に「宝生流第二十代宗家・宝生和英が描く能楽の未来」と題して、宝生流宗家の宝生和英さんと、翌日にグランシップで開催する「グランシップ静岡能」の舞台美術を演出した華道家・辻雄基さんのトークイベントを開催しました。

宝生宗家のご登場ということで、お申し込み者も多数で満席。

まず、宝生和英さんがご自身の紹介と、現在の活動を写真を見せながら紹介してくださいました。

5歳の初舞台では、なんと眠ってしまったというエピソードが!

現在は、イタリアや香港などでも能楽の普及にあたられていて、現地の学生や子どもたちにも能楽に触れてもらう機会を多く作っているとのこと。

能楽は、戦国武士が戦の前に見たと言われている事から、本来はエンタメ要素ではなく、心身を落ち着かせ、人々の内にある力を引き出すための要素が強いのではないかと仰っていました。

よって、能楽師はいわゆる俳優とは異なり、「演じる」という気持ちではないということでした。自身を何かの役に仕立てて誇張して見せたりするのではないということ。

現代の私たちは、舞台と客席という環境から無意識に他の演劇やパフォーマンスと同じ感覚で鑑賞しがちでしたが、今回のお話を聞いて、能楽に対する視野や考え方が少し広がったように思います。

少し深いお話でしたが、和英さんの分かりやすいお話に会場のみなさんは惹きこまれていました。

能楽の根源をとても大切にされている和英さんですが、もちろん新しい取り組みにも挑戦し、東京スカイツリーの5周年イベントでは、光を使ったパフォーマンスをされています。

これには数千人もの多くの方が来場されたということ。

後半は、華道家の辻雄基さんが、日本の四季を大切にしながらいけばなに取り組まれていて、豊かな日本の四季や環境ならではの空間の素晴らしさをお話しました。

このお二人のそれぞれの個性や能力を合わせてごらんいただける「グランシップ静岡能」。

今回だけの舞台演出で特別な空間になっています。

1/27(土)「グランシップ静岡能」に当日券は13:00より会場前で販売。
是非ごらんください。

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