各種事業アーカイブ


この事業は終了しました

文芸・美術等の振興
上質で多彩な鑑賞
開催レポート
出前公演
出前
文芸

【グランシップ出前公演】
2017年しずおか連詩の会in三島
5人の詩人が紡ぐことばのリレー

日時 2017年11月12日(日)10:00開演(9:30開場)
会場 大岡信ことば館(三島市文教町1-9-11) JR三島駅北口より徒歩1分
料金 500円 ※未就学児入場不可
・事前申込制ではありません。事前にチケットをお買い求めください。

※チケットは完売しました
主催 公益財団法人静岡県文化財団、大岡信ことば館、静岡県、三島市
共催 静岡新聞社・静岡放送
後援 静岡県教育委員会、静岡県文化協会、三島市教育委員会
問合せ グランシップチケットセンター TEL.054-289-9000
大岡信ことば館 TEL055-976-9160

5人のことばの表現者が3日間かけて創作した40編の現代詩を作者本人の朗読・解説とともに披露。
今年は12年ぶりに、日本を代表する詩人谷川俊太郎が参加。

参加者:野村喜和夫、谷川俊太郎、四元康祐、覚和歌子、大岡亜紀


こちらも合わせてどうぞ!
◆◆◆9/16(土)~11/26(日)「大岡信ことば館」関連企画展 「大岡信 追悼特別展」◆◆◆
「2017年しずおか連詩の会in三島」のチケット提示で入場料が200円引になります。

大岡信さんの手書き原稿、写真、映像、音声など、貴重な関係資料とともに、大岡信さんの言葉を展示。
言葉の表層に触れ、その真相に息づく詩人の内面世界を旅しては。
会場/大岡信ことば館
開館時間/10:00~17:00 (休館日/月曜日 ただし祝休日の場合は開館し翌平日休館)
入館料/大人1,000円 シニア(60歳以上)800円、学生(高校大学生)600円、子ども(小中学生)300円
※連詩の会チケット提示で上記金額から一律200円引

詳しくは、「大岡信ことば館」ホームページをごらんください。
http://kotobakan.jp/exhibitions/ooka-makoto

参加者プロフィール(野村喜和夫・谷川俊太郎・四元康祐)

野村喜和夫(のむら きわお)

詩集「特性のない陽のもとに」で歴程新鋭賞、「風の配分」で高見順賞、「ニューインスピレーション」現代詩花椿賞受賞など。評論「移動と律動と眩暈と」及び「萩原朔太郎」で鮎川信夫賞ほか著訳書多数。英訳選詩集「Spectacle&Pigsty」で2012Best Translated Book Award in Poetry(USA)を受賞。戦後世代を代表する詩人の一人として現代詩の最先端を走り続けている。「しずおか連詩の会」では、2009年より創作の場をまとめるさばき手を務めており、今回で12回目の参加となる。


谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう)

ⒸHUKAHORI mizuho
1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。 1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著書多数。 詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。近年では、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、 郵便で詩を送る『ポエメール』など、 詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。 しずおか連詩参加は4回目。


四元康祐(よつもと やすひろ)

主な詩集に『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』、『小説』、『現代ニッポン詩日記』など。連詩初体験は2003年のしずおか連詩、その後2回の熊本連詩、小池昌代との対詩『詩と生活』、田口犬男との対詩『泥の暦』、中国、韓国の詩人らとの『日中韓三ヶ国語連詩』(2015年)などを経て、今回のしずおか連詩は3回目。ドイツ・ミュンヘン在住。

参加者プロフィール(覚和歌子・大岡亜紀)

覚和歌子(かく わかこ)

ⒸFUKAHORI mizuho
ムーンライダーズ、夏川りみ、平原綾香、smapなどに歌詞を提供。2001年「千と千尋の神隠し」主題歌「いつも何度でも」作詞で第43回日本レコード大賞金賞。自らのバンドを率いて国内外でライブ活動を展開中。最新ソロCD「シードル」(2017momo-launch)が好評。朗読、翻訳、舞台演出、絵本創作など、詩作を軸足に活動は多岐にわたる。米国ミドルベリー大学日本語学特別講師。最新作に詩集「はじまりはひとつのことば」(港の人)、谷川俊太郎との対詩集「DUO(仮)」(ナナロク社)など。しずおか連詩参加は5回目。


大岡亜紀(おおおか あき)

武蔵野美術大学日本画学科卒業。岩絵具による抽象絵画を制作。個展で絵画作品と併せて詩をパネル展示する試みを続けているほか、歌人とともに、短歌と詩を連ねていく「連詩歌」制作も行っている。詩「ことほぎのうた」には、二名の作曲者により、合唱曲と弾き語り用という二種類のヴァージョンの曲がつけられている。詩集に『新バベルの塔』『ある時 はじめて』『光のせせらぎ』、訳書に『ビジュアル版伝記シリーズ』の『ミケランジェロ』と『レオナルド・ダ・ヴィンチ(共訳)』がある。しずおか連詩参加は3回目。

開催レポート

「2017年しずおか連詩の会in三島」超満員で発表会まで終了!

今年で18回目を迎える恒例の「しずおか連詩の会」。文芸文化、文芸芸術として世界に誇れるしずおかの大切な文化です。
今回は、連詩を提唱した大岡信さんの故郷、三島市で開催。そして、40編の連詩を創作するために集まったのは、日本を代表する5人の詩人。みなさん連詩経験者で、大岡信さんとも親交の深い方ばかりです。「しずおか連詩の会」を三島市で開催することは実は1年以上前から決まっていたこと。しかし、今年4月に大岡信さんが亡くなられたことで、今年の連詩の会は自然と大岡信さんをそばで感じながらの創作となりました。

創作1日めは、三島市生涯学習センターを会場にスタート。第1詩が誰になるかは、創作初日前夜に、さばき手の野村喜和夫さんが決めます。今回、大岡さんと50年以上にわたり親交のあった谷川俊太郎さんが参加ということで、野村さんは谷川さんに第1詩か第40詩の揚句かの選択を委ねたそう。その結果、谷川さんはトップバッターを選択。これから連詩をスタートさせるにふさわしい5行の詩にみなさん気持ちをひとつにしていきました。

順調に進んだ初日が終わり、2日めの朝からは考え込む時間も長くなり、推敲のやりとりも多くなってきました。

1つの詩ができあがると、さばき手の野村喜和夫さんにお伺いを立てるのですが、もちろん他3名もこうした方がよいとか、どんな意図で詩ができてきたのかなど作詩者に質問します。まわりからの批評を受け、苦しみながら詩が少しずつ生まれていきます。

だいぶペースが遅くなってきて、スタッフもハラハラ・・・。
お昼休みに、近くの源兵衛川を散歩して気分転換しながら午後の創作に臨んだおかげで、ペースも回復。何とか予定とおりに2日目を終わることができました。

そして3日めは、創作会場を大岡信ことば館に移しました。同館で開催している大岡信追悼展を観覧しながら、改めて大岡信さんの詩人としての偉大さと功績を目の当たりにし、感慨深い表情が見られました。

少し感傷的な気持ちになりながらも、40編めのゴールに向かわなければなりません。しかし、ゴールが近づいてくれば来るほど遊びの要素や場面展開に注意深くなります。一度方向転換したものを軌道修正するチャンスが少なくなります。詩人のみなさんはきっとそんな戦略を思い描きながら、言葉を丁寧に編み込んでいたでしょう。

最後の揚句は、四元康裕さん。途中までは順番待ちの時間に他の詩人の方といろいろなお話しをされていましたが、37編めころからそわそわし始め、改めて「連詩」とは何かという疑問を自分なりに紐解いている様子でした。

そして生み出した四元康裕さんの40編め。連詩は明るく終わるという暗黙のルールのもと、「岡を上りきると海」の巻が完成しました。

12日に開催された発表会は、満席の来場者で無事に開催されました。

できあがったばかりの作品を、詩人自ら朗読する場面では、会場がその素晴らしさにうっとり。
40編のうち、一部分を詩人のみなさんが解説し、どんな言葉が繋がっているか、創作した時の心境などを紹介しました。

また、ロビーには、詩人直筆の詩も展示し、特別な空間となりました。

完成した作品は、11/14の静岡新聞朝刊や12/15発行のグランシップマガジンで紹介します。
会場にお越しになれなかった方はこちらをお楽しみに。

ページの先頭へ