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グランシップ伝統芸能シリーズ
グランシップ静岡能
観世流能楽師による本格的な能楽公演
日時 | 2017年1月22日(日)14:00開演(13:30開場) |
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会場 |
中ホール・大地 全席指定 |
料金 |
一般5,100円 こども・学生1,000円 <1/15(日)より直前割引開始!> 一般4,080円 ◆当日券は、1/22(日)13:00~中ホール前にて販売します 【御殿場・裾野・三島地区発!らくらくバスツアー】 「本場香港の飲茶ランチ付き!久能山石垣いちご狩り&グランシップ静岡能公演ツアー」 ○行程/御殿場市民会館(8:00発)⇒裾野駅(8:35発)⇒三島駅(8:50発)⇒久能山石垣いちご狩り⇒ホテルアソシア静岡※昼食⇒「グランシップ静岡能」鑑賞(14:00開演)⇒三島駅(18:15頃)⇒裾野駅(18:35頃)⇒御殿場市民会館(19:10頃) ○旅行代金/おひとり様15,790円(各入場料、バス代、昼食代含) ○出発日/2017年1月22日(日)日帰り ○主催・お申込み 御殿場総合サービス(株) TEL.0550-88-5771 https://www.granship.or.jp/files/data/000136.pdf |
主催 | 公益財団法人静岡県文化財団、静岡県、静岡県能楽協会、静岡新聞社・静岡放送 |
後援 | 静岡県教育委員会 |
協力 | 株式会社紺文 |
問合せ |
グランシップチケットセンター TEL.054-289-9000 |
新春恒例、観世流能楽師による本格的な能楽公演。
今年度の「グランシップ伝統芸能シリーズ」最後の本公演では、能の「紅無」を象徴する演目「隅田川」と、変化に富んだ場面展開が見どころの「小鍛冶」を上演。
「紅無」の演目で能楽師がどのような色を感じ、演じるのか。能楽師の心の中に生み出される色にせまります。
★公演当日、お着物でご来場の方に先着でプレゼントをご用意。
<出演者変更のお知らせ>
『グランシップ静岡能』に出演を予定しておりました太鼓方・観世元伯氏は都合により出演見合わせとなりました。
代わりに林雄一郎氏が出演いたします。
番組表はこちら。
あらすじ 能『隅田川』・『小鍛冶』
◆隅田川(すみだがわ)
武蔵国・隅田川の渡し守(ワキ)が舟に乗る客を待っていると、そこへ都からの旅人(ワキツレ)が来て、後の方で騒がしいのは、女物狂いが面白く狂い舞っているからだと教え、舟を留めて狂女を待ちます。
狂女(シテ)は、「自分は都・北白川に住む者。一人息子を人商人に連れ去られ、この隅田川の渡し場にまで探し求めてたどり着いたという。渡し守に舟に乗せてくれるよう頼みますが、渡し守はなかなか乗せようとしません。すると狂女は「隅田川の渡し守ならば“日も暮れ舟に乗れ”と言うべき」とやり込めます。また沖の鴎を見つけ、「名にし負わば、いざ言問わむ都鳥、我が思う人は、ありやなしや」という業平の古歌を思い出し、業平は妻を、今は自分は我が子を尋ねているが、その思いは同じだと歎きます。渡し守は哀れに思い、舟を出します。そして舟を漕ぎ出すと、向こう岸に人々が集まっているのが見えます。渡し守は舟を漕ぎながら、「一年前の今日の日、歳の程十二・三ばかりの男の子を、人商人が都から買い取って奥州に下る途中、子供は病気になって一歩も歩けないと、この隅田川の川岸で倒れてしまった。子供は無情にも見捨てられ、土地の人の介抱もむなしく、“私は都・北白川の吉田の何某の子。死んだら塚を築いて葬り、墓の記しに柳を植えて下さい”と言い残して息を引き取った」と。今日は人々が不憫に思って弔いをしているのだと教えます。狂女はこの話を聞くうちに、その子供こそ我が子・梅若丸であると判り、泣き伏すのでした。同情した渡し守は、狂女をその塚に案内をしてやります。
塚の前で母は、鉦鼓を鳴らし、念仏を唱えます。その時、塚の中より我が子の声が聞え、姿が幻のように現れますが、母が抱きしめようとすると見失い、また塚の中へ消えてしまいます。そして後には草の茂った塚が残るばかりでした。
◆小鍛冶(こかじ)
刀匠・三条小鍛冶宗近(ワキ)のもとに、帝より御剣を打ち奉るようにとの勅命を勅使(ワキツレ)が伝えに来ます。宗近は勅命を承るも、自分に相応しい相槌の者がいないことに困り、氏神の稲荷社に祈願に出掛けると、一人の童子(前シテ)が現れ、宗近を呼び止めます。不思議なことに、童子は宗近に勅命があったことを知っており、宗近に中国の剣の故事、そして日本武尊の「草薙の剣」の神話を語り聞かせます。「日本武尊は東夷退治の勅命を受け、東国に向かったとき、夷に四方を囲まれて火をかけられた。尊が剣を抜き四方の草を薙ぎ払うと、剣の霊力が嵐となって火焔を吹き返して、遂には夷を焼き尽くして退治することが出来たのである」。これも草薙の剣の霊徳であり、宗近がこれから打とうとする御剣も、それらに劣るものではないと宗近を励まします。宗近が名を尋ねると、童子は御剣を打つ時節には必ず神通力をもって手助けをすることを約束して、稲荷山の方へ姿を消します。(中入)
宗近は鍛冶壇に注連縄を張って祀り、祝詞を奏上します。すると、稲荷の神使の霊狐(後シテ)が現れて、宗近は恐悦の心を持ちながらも、鉅を取り出し槌を打ちます。霊狐も相槌を打ち、その音は天地に響き渡るのでした。
やがて、御剣が打ち上がると、表には「小鍛冶宗近」の銘を入れ、霊狐は裏に「小狐」と銘を打ちます。天叢雲の剣にも等しいこの天下第一(1)の、二人(2)の銘が入った御剣(みつるぎ)(3)で、四海(4)を治め、五穀(5)豊穣を寿ぎ、霊狐は御剣を勅使に捧げると、霊狐は叢雲に飛び乗ると、稲荷山の峰にと帰って行くのでした。
あらすじ 狂言『鈍太郎』
都に住む鈍太郎(どんだろう)という名の男。ふと思い立って西国に旅に出てから三年が経ち、久々に帰国するのですが、下京にある本宅の妻も上京にある別宅の馴染みの女も、三年間音信不通だったことから鈍太郎であることを疑い、家の戸も開けずに邪険な態度をとったため、鈍太郎は浮世を儚んで隔夜(かくや)に出る決意するのですが・・・。
思い付きで旅に出て、数年にわたって手紙一通も送らず、急にフラッと帰ってきて、女性を絡めて一騒動起こすという展開は、映画「男はつらいよ」の主人公・フーテンの寅を彷彿とさせる、現代においてはなかなか受け入れられ難い、いわゆる男目線で作られた身勝手な男の話なのですが、当時の夫婦の在り方や世相を取り入れつつ、憎み切れないキャラクターとして演じることを要求される、秀作の狂言です。(ちなみに「隔夜(かくや)」とは、毎日違う神社仏閣を泊まり歩いて修行行脚すること、つまりは出家することです。)