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文芸・美術等の振興
上質で多彩な鑑賞
開催レポート
文芸

第一線で活躍する詩人俳人が紡ぐ、色とりどりのことばの宴
グランシップ 2016年しずおか連詩の会

日時 2016年11月20日(日) 14:00開演
会場 11階 会議ホール・風
料金 入場料:500円 ※事前申込制
主催 公益財団法人静岡県文化財団、静岡県
共催 静岡新聞社・静岡放送
後援 静岡県教育委員会、静岡市教育委員会、静岡県文化協会、静岡県俳句協会
問合せ グランシップチケットセンター TEL.054-289-9000

1999年から毎年開催している「しずおか連詩の会」。一昨年は三島、昨年は浜松での開催を経て、17回目の今回は3年ぶりにグランシップでの創作と発表を行います。個性豊かな“ことばのプロ”たちが集まり、3日間かけてどんな連詩が編まれていくのか。
3名が初参加となる今回はどんなことばたちが共鳴するのかご期待ください。
11/20は、できあがったばかりの作品の発表と詩人自らの朗読、解説を行います。
創作中のエピソードもお楽しみに。

(昨年の様子)

【参加詩人】
野村喜和夫(詩人)、高貝弘也(詩人)、小笠原鳥類(詩人)、高柳克弘(俳人)、暁方ミセイ(詩人)
※小笠原鳥類さんは、諸事情により不参加となりました。


<連詩-RENSHI-とは?>
複数人で短い詩をリレーのように連ねていく創作現代詩。伝統の中で新たに培われた連歌・俳句の美学をもとに、新たに詩の可能性を探ろうと三島市出身の詩人・大岡信を中心にはじまりました。海外でも創作される、静岡県が世界に誇る文芸です。
「しずおか連詩の会」では、5行と3行の詩を繰り返し、今回は32編の連詩を創作します。

参加者プロフィール

野村喜和夫(のむらきわお)詩人

詩集「特性のない陽のもとに」で歴程新鋭賞、「風の配分」で高見順賞、「ニューインスピレーション」現代詩花椿賞受賞など。評論「移動と律動と眩暈と」及び「萩原朔太郎」で鮎川信夫賞ほか著訳書多数。英訳選詩集「Spectacle&Pigsty」で2012Best Translated Book Award in Poetry(USA)を受賞。
戦後世代を代表する詩人の一人として現代詩の最先端を走り続けている。「しずおか連詩の会」では、2009年より創作の場をまとめるさばき手を務めており、今回で11回目の参加となる。

高貝弘也(たかがい ひろや)  詩人 

詩集に、『再生する光』(第十九回現代詩花椿賞受賞)、現代詩文庫167『高貝弘也詩集』、『子葉声韻』(第三十九回高見順賞・第九回山本健吉文学賞受賞)、『露光』(第四十八回藤村記念歴程賞受賞)、『露地の花』、『白緑』など。散文集に、『白秋』がある。

小笠原鳥類(おがさわらちょうるい) 詩人  ※小笠原鳥類さんは、諸事情により不参加となりました。

こどもの頃に草野心平の詩と出会う。最近の著書に選集の現代詩文庫222『小笠原鳥類詩集』があり、詩(第1詩集『素晴らしい海岸生物の観察』など)、散文(岡井隆論、入沢康夫論など)を収録。詩の雑誌「現代詩手帖」「GANYMEDE」「歴程」などに執筆。

高柳克弘(たかやなぎかつひろ) 俳人

2002年、俳句結社「鷹」に入会。2004年、連作「息吹」により第19回俳句研究賞受賞。2008年、『凛然たる青春』により第22回俳人協会評論新人賞受賞。2009年、第1句集『未踏』により第1回田中裕明賞受賞。2016年、第2句集『寒林』刊行。
他の著作に『芭蕉の一句』など。「鷹」編集長。読売新聞夕刊「KODOMO俳句」選者。静岡県浜松市出身。浜松市やらまいか大使。 神奈川大学、玉川大学講師。

暁方ミセイ(あけがたみせい) 詩人

2010年、第48回現代詩手帖賞を受賞しデビュー。2012年、第一詩集『ウイルスちゃん』で第17回中原中也賞受賞。
2013年には処女小説「青い花」を『文藝』に発表、また日本経済新聞「プロムナード」コーナーでのエッセイ連載など、現代詩以外の分野でも活動している。既刊にkindle版詩集『宇宙船とベイビー』、第二詩集『ブルーサンダー』、連詩詩集『地形と気象』など。現在、明治大学理工学部新領域創造研究科博士前期過程在学。

開催レポート

2016年しずおか連詩の会 「風の千層」の巻  完成しました!

2016年11月21日(月)

11/17~19まで3日間かけて創作した今年の「しずおか連詩の会」。

今回は、暁方ミセイさんの発句の中から、「風の千層」の巻という事になりました。

11/20には、この作品の発表会を開催。

前半では、創作中の様子を映像で紹介し、詩人のみなさんがどんな環境で作品を生み出しているのかをお伝えしました。

その後、詩人自らの朗読で、この連詩を披露。

詩人のみなさんの朗読を聞くことができるのが、この「しずおか連詩の会」の発表会の醍醐味でもあります。

創った本人の気持ち、状況が伝わるような心のこもった朗読です。

言葉と言葉の間や、イントネーション、スピードなどで、平面だった言葉を立体的に感じることができました。

後半は、いよいよそれぞれの作品の解説。

前の人のどの言葉を受けたのか、創作中のエピソードや感想なども聞くことができました。

1句目のミセイさんは、宿泊していたホテルの景色から受けた詩を生み出しました。

2句目は俳人の高柳克弘さん。1句目の晴れ晴れとした夜明けの勢いを受け「富士」や「駿河湾」などを織りこみました。

3句目の高貝弘也さんは、高貝ワールドを最初から発揮して、5行詩の中の3行目を空白にする業を披露。

解説の中で、野村さんが「無」に存在を与えるのは東洋的、禅の精神が感じられると仰っていました。

高貝さんは、空白の行で“海面”を表現したということ。空と海の間の意味、という事でした。

4句目の野村さんは、3句目の「朧月」(スーパームーン)を受けて「ルナティック」という言葉から開始。

3行目には「虹」という言葉を使いましたが、創作3日目に本当に大きな虹が見られるとは夢にも思わなかったという予知詩(?)となりました。

時間の都合上、全ての解説をお聞きすることはできませんでしたが、作者自らにお話を聞くことができるのはとても貴重な機会となりました。

会場内では、詩人直筆の作品を展示。

筆跡でも、個性が表れます。

また、事前に県内の小学校で実施した「連詩ワークショップ」の作品も展示しました。

今回完成した「風の千層」の巻は、11/21(月)に静岡新聞朝刊に掲載されています。

18回目となる来年も乞うご期待!

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