2013年12月23日(月)
グランシップサポーター企画「グランシップ懐かしの映画会」が21日、22日、大盛況で終了しました。
2日連続でお越しいただいたお客様も少なくありません。今後の開催に向けてのたくさんのリクエストもいただき、ありがとうございました!
「懐かしの映画会」はグランシップの運営をボランティアの立場で支えるサポーターによって企画運営しています。サポーターは、グランシップとお客様をつなぐ要の存在。日頃から、公演のもぎり、会場内の誘導員、記録写真撮影、お客様へのグランシップからのお知らせをする広報業務など、様々な場面で活躍しています。
「懐かしの映画会」では、それらの日常業務に加えて、イベントの内容自体もサポーターが考え、展示品などを準備し、当日の運営まで行います。
開場の挨拶やもぎりは、普段のグランシップ自主公演でも、サポーターが行っています。
映画会では開場前から行列ができていました。
今回の「グランシップ懐かしの映画会」実行委員長・砂田さんの挨拶で上映開始。
映画は35ミリフィルムでの上映でした。今では映画館もデジタル化され、映写機を見る機会も減ってきましたね。
会場には、サポーターが調べた映画に関する資料や、黒澤明監督関連の新聞記事、書籍などを展示。映画を観た後、お客様たちが映画封切当時の思い出話をしたり、作品の素晴らしさについてサポーターと語り合ったりする姿が多く見受けられました。
休憩中のスクリーンに、サポーターが撮影した富士山の写真や、映画が公開された当時の社会ニュースを映し、客席で次の映画をお待ちになるお客様に楽しんでいただけるよう工夫しました。
お昼を挟んで1日2作品の上映だったので、お客様にはガラス張りで明るいホワイエにて、飲食や休憩をお取りいただきました。
親子一緒にお越しいただいた姿も見られました。お父さんが昔見た映画を、改めて娘と観るなんて、ステキですね! 娘さんが作品の解説をじっくり読まれている様子が印象的でした。こうして世代から世代へ、文化が引き継がれていくんですね。
最後に記念撮影!
とはいえ、写真には写らなかったサポーターもたくさんいます。これらの記録写真を撮影しているのもサポーターです。
映画会のタイトルのぼりも、黒澤明監督の墨画の肖像画もサポーターの手によるもので、映画会の雰囲気を象徴しているようでした。
次回のグランシプサポーター企画「グランシップ懐かしの映画会」は、2月23日(日)。今度の映画会で初めて洋画が登場します! 上映作品は、永遠の憧れ!! オードリー・ヘプバーン主演の『ローマの休日』と思わず子ども心が呼びさまされるファンタジー・ミュージカル『オズの魔法使』の2本です。
1日目無事終了!「懐かしの映画会」明日は『羅生門』と『天国と地獄』
2013年12月21日(土)
グランシップサポーター企画「グランシップ 懐かしの映画会」1日目が盛況のうちに無事終了しました!
こ~~~んな大画面で、黒澤明監督の名画をフィルム上映しています!
客席の一番後ろに、懐かしの映写機が陣取っています!
時代の生き証人とも言えるサポーターたち(赤いジャンパーが目印です!)とお客様とで、黒澤明監督の年譜、新聞記事スクラップ、当時の映画製作にまつわるあれこれを調べた資料を傍らに、映画の話がはずんでいました♪
最終日の明日は、人間の心理や不条理を独自の手法で描き出した以下の2作品を上映します!
10:00~11:28 羅生門(デジタル復元版)
12:30~14:53 天国と地獄
せわしない師走。1日だけ、往年の名画にひたってみませんか?
黒澤映画をフィルム上映「グランシップ懐かしの映画会」会場完成!
2013年12月20日(金)
いよいよ明日・明後日は「グランシップサポーター企画 グランシップ懐かしの映画会」が開催されます!
今日はサポーターの実行委員のみんなで会場設営を行いました。
会場にはサポーターが用意した映画にまつわる様々な展示品があります!
なんとサポーターが描いた黒澤明監督の肖像画。
特徴がバッチリ捉えられていますね!
平安京羅生門の復元模型。
博物館の資料を元にした、制作期間1ヶ月の力作です!!
映画公開当時のパンフレット。
サポーターの私物を公開します!
映画会の”のぼり”もサポーターによる墨書です。
会場の休憩スペースでは、映画を観た観客同士や映画好きのグランシップサポーターと、お茶などしながら作品の感想を話し合ってみませんか?
12月21日(土)上映
10:00~「酔いどれ天使」
12:30~「生きる」
http://granship.jugem.jp/?day=2013112112月22日(日)上映
10:00~「羅生門」(デジタル復元版)
12:30~「天国と地獄」
黒澤明監督の名作をフィルムで!「グランシップ懐かしの映画会」作品のみどころ
2013年12月09日(月)
グランシップには、イベント当日の運営・広報・記録写真撮影など日々の業務をボランティアとして支える“グランシップサポーター”がいます。
その彼らが実行委員会を設けて企画した、日本映画の名作を35ミリフィルムで上映する「グランシップ懐かしの映画会」開催まで2週間を切りました。
JR静岡駅改札前のポスターをご覧いただいた方もいらっしゃいますでしょうか?!
今回は、世界のクロサワ映画4作品の上映です!!
黒澤明監督作品というと『七人の侍』に代表される豪快なアクションをまず思い浮かべる方も多いかと思いますが、今回お送りするのは緻密な映像で心理の機微を描き出すヒューマンドラマの傑作です。
サポーターによる各作品の見どころ解説は、ぜひこちらでご覧ください。
12月21日(土)上映
10:00~「酔いどれ天使」
12:30~「生きる」
12月22日(日)上映
10:00~「羅生門」(デジタル復元版)
12:30~「天国と地獄」
師走で忙しい毎日に、ほっと一息、日本の名作をを大画面で満喫してはいかが?
鑑賞券は、1日券1,000円、2日セット券1,500円(小中学生は1日500円)です!
35ミリフィルムで上映!「グランシップ懐かしの映画会」②
2013年11月22日(金)
「グランシップ懐かしの映画会」まで、1ヶ月をきりました!チケットは好評発売中です。
12月21日(土)に上映の「酔いどれ天使」「生きる」は、前回のブログでご紹介しましたので、今回は22日(日)に上映の「羅生門」と「天国と地獄」についてご紹介!
「羅生門」
昭和25年(1950) 大映作品 (デジタル復元版)
平安時代の「今昔物語」から材を取った、芥川龍之介の小説「藪の中」「羅生門」から脚色し、映画化した作品。「山科の山中で殺人事件が起きた。検非違使庁で取り調べを受けた盗賊(三船敏郎)、被害者の妻(京マチ子)巫女の口を借りた侍(森雅之)の死霊の証言は全く違ったものだった。果たして真相は・・・」
8人の登場人物、実物大のオープンセット「羅生門」から検非違使の庭、森の殺人現場を行きつ戻りつしながら証言を基に事件を回想する斬新で巧みな演出で、人間不信の中から人間への信頼と尊厳を紡ぎだします。森の中の光と影、太陽にカメラを向けて撮った官能的な映像、ボレロ風の音楽が観る者を劇中に引き込みます。この作品は日本映画が初めてヴェネチア国際映画祭金獅子賞と米アカデミー最優秀外国語映画賞を受賞し日本映画の芸術水準の高さを海外に知らしめ、我が国の国際理解に大きく貢献し、敗戦で打ちひしがれた日本に自信を回復させるきっかけとなりました。世界の映画史に燦然と輝く傑作で、今回の映画会必見の作品です。
「天国と地獄」
昭和38年(1963) 黒澤プロ・東宝作品
アメリカの推理小説作家エド・マクベインの「キングの身代金」から想を得たサスペンス映画の傑作。「靴メーカーの重役(三船敏郎)は自分の息子と間違えられ運転手の息子を誘拐されて、身代金を要求される。人命か、会社の実権か二者択一を迫られて苦悩する。結局身代金を払うことになり、犯人の指示通り、特急第2こだまに担当警部(仲代達矢)らと乗り込む。そして・・・」 映画の前半、権藤邸で犯人からの脅迫電話を下に、権藤と息子、妻(香川京子)、運転手(佐田豊)、腹心の部下(三橋達也)、警部と部下の捜査員らが繰り広げる舞台劇のような演出はヒューマニズム溢れ感動的です。 疾走する特急第2こだまの洗面所の窓7センチの隙間からカバンに入った身代金を投げ落とす場面は黒澤監督独自の複数カメラの撮影で、捜査員の迅速な動きと重なり、臨場感と手に汗握る場面です。 身代金を入れたカバンに仕込んだカプセルが燃え、煙突から桃色の煙が出る場面は、部分カラ―の技法を取り入れ印象的です。ここから焼却場が割り出され、犯人(山崎努)の特定が一挙に進んでいきます。
毎日映画コンクール日本映画賞 受賞
35ミリフィルムで映画を鑑賞する機会も、ほとんどなくなってしまいました。 この機会をお見逃しなく、ぜひ「グランシップ懐かしの映画会」にお出かけ頂き「クロサワ・ワールド」を楽しんでくださいね!12月21日、22日と、みなさまのご来館を心よりお待ちしております。
35ミリフィルムで上映!「グランシップ懐かしの映画会」
2013年11月21日(木)
「グランシップ懐かしの映画会」は12月21日(土)、22日(日)の2日間、グランシップの中ホールで開催します。
今年は
日本映画界の巨匠、黒澤明監督の傑作である「酔いどれ天使」、「生きる」、「羅生門」、「天国と地獄」の4作品をモノクロ35ミリフイルムで一挙上映!
黒澤明監督(1910~1998年)は日本映画で初めて国際映画祭でグランプリを獲得した「羅生門」はじめ「七人の侍」「影武者」など、映画史に残る傑作、話題作を次々と発表、日本映画界で初の「文化勲章」、「米国アカデミー賞特別名誉賞」を受賞し、「世界のクロサワ」と言われた、日本が世界に誇る映画監督です。黒澤映画はヒューマニズムを根底に、人間の善と悪、生と死、正義と不正など、大胆な構成で躍動感あふれる演出と、画期的なカメラワークを屈指した芸術性の高い映像美で国内外で高く評価され、数々の映画賞を受賞、世界中の映画人に大きな影響を与え、観客を魅了しました。
今回は、「グランシップ懐かしの映画会」初日、12月21日(土)に上映する「酔いどれ天使」「生きる」の2作品の見どころをご紹介します!
「酔いどれ天使」
昭和23年(1948) 東宝作品
「戦後の荒廃の中、飲んだくれの医者(志村喬)と肺結核に冒された近くの闇市の顔役(三船敏郎)との心の交流を描いたもので、医者としてなんとか更生させようとするが・・・」随所に出てくるドブ沼は、戦後荒廃した世相の象徴であり、登場人物の心象風景でもあり、印象的です 三船敏郎は初めて黒澤映画に起用されて、野性味あふれる迫真の演技で強烈な印象を与え、以後、黒澤映画になくてはならない存在となり、数々の名作に主演し「世界のミフネ」と言われるようになります。 顔役が落ち目の気分の時、音楽処理の「対位法」で陽気な「カッコウ・ワルツ」が鳴り、増々気分を増幅させます兄貴分との死闘で、まけた白ペンキの上で組んづほぐれつ闘う場面は血(赤)みどろの戦いを思わせ圧巻です。
キネマ旬報ベストテン第1位、毎日映画コンクール日本映画賞 受賞
「生きる」
昭和27年(1952) 東宝作品
「余命のない胃癌と診断された市民課長(志村喬)は自暴自棄になり遊興の末、活き々と生命力あふれる部下(小田切みき)に諭され、30年間無欠勤で事なかれ主義で生きてきた自分を反省し一大決心をする・・・」戦後の混乱期を終え、日本が高度経済成長期に入っていた頃の歓楽街の風俗が活き々と描かれています。通夜の席で市役所の上司や部下の思惑が絡みながら、回想を通して課長の実像が明らかになっていきます。登場人物全員に焦点を合わせる「パンフォーカス技法」が密度の高い緊迫感あふれる映像になっています。 雪が降り仕切る中、課長がブランコに揺られながら満足そうに「ゴンドラの唄」を口ずさむ場面は感動的です。
キネマ旬報ベストテン第1位、毎日映画コンクール日本映画賞、ベルリン国際映画祭銀熊賞 受賞
「グランシップ懐かしの映画会」チケット好評発売中です!
皆様のご来場をお待ちしております。