「井筒」あらすじ
諸国を旅する僧(ワキ)は、奈良より初瀬に向う途中、石上の在原寺を訪れます。在原業平とその妻・紀有常の娘を偲び弔いをしていると、里の女(シテ)が現れ、井戸の水を汲み古塚に手向けます。僧は女に声をかけ、古塚にゆかりのある者かと尋ねると、女はこの古跡を懐かしみます。そして僧の求めに応じて、女は業平と有常の娘の物語を聞かせます。「昔、在原の中将は、長年この石上の古びた里に住いし、春は花、秋は月と風雅に暮らしておられましたが、その頃業平は有常の娘と契りを結び、夫婦の情も深かったのですが、河内の国・高安の里に愛する人がいて、そちらの方へも忍んで通われたのです。有常の娘は『風吹けば沖つ白波龍田山 夜半にや君が独り行くらん』と詠んで、不安な夜道を行く夫の身を案じたのです。その心が通じてか、高安の人との契りは絶えたのです。またその昔、この井筒のそばで二人戯れていたのが、幼馴染の親しさが長じて恋となり、男は「筒井筒 井筒にかけしまろが丈 生いにけらしな 妹見ざる間に」という歌を送ったので、女も「比べ来し 振り分け髪も肩過ぎぬ 君ならずして誰か上ぐべき」と歌を詠み交わして夫婦となり、女は「筒井筒の女」とも言われました。それが有常の娘なのです」と語って、自分こそは有常の娘であると明かして、井筒の陰に姿を消します。(物著)
僧は弔いをし、夢での出会いを期待して仮寝します。すると業平の形見の冠、装束を着した井筒の女の霊が現れ、業平を偲び舞を舞います。女は井戸に影を映し、その姿がそのまま業平の姿であると懐かしく思います。やがて夜明けと共にその姿は消え、僧の夢も覚めるのでした。
「グランシップ静岡能 能楽入門公演」開催!
2013年09月19日(木)
台風18号が静岡県内にも近づいた3連休の最終日、「グランシップ静岡能 能楽入門公演」を開催いたしました。
静岡市も当日の朝まで激しい風雨にさらされていて、予定通り開催するかを検討しましたが午前中のうちに雨足もやんできたため、予定通り開催を決定しました。
公共交通機関の乱れもあり、お客様がどれだけご来場できるか心配ではありましたが、思ったよりもたくさんのお客様にご来場いただきました。
今年の「グランシップ伝統芸能シリーズ」のテーマは“花”。
今回の「能楽入門公演」では、上演する「井筒」の演目に合わせて、ススキの装飾でお迎えしました。
ロビーでは、他にも毎年大人気の「能面体験コーナー」も。
たくさんの能面をみることができます。似たような顔立ちでも、見比べてみると年齢や立場が異なっていて、興味深いものです。
こどもたちも手にとって付けてみました!
能面は、目のところがあいているものの、とても小さく視界がかなり狭くなります。
実際に付けてみると、能楽師のみなさんが舞台で付けて舞いを舞うということがどんなに難しいかわかります。
本番の第1部では、3ヶ月間のお稽古を受けたこどもたちの発表。
第2部では、ダイジェスト能「井筒」を解説つきでお楽しみいただきました。
写真左下の山階さんが、現在どのような状況になっているかを丁寧に説明してくださいました。
上演中にストップをかけて、解説を聞けるなんてグランシップ以外では実施していません。
演じている能楽師のみなさんには、ご迷惑をおかけしますが、はじめて能を観る方には分かりやすいですね。
今回もお着物でご来場の方にはプレゼントをお渡ししました。
荒れた天気の中、お着物でお越しいただきましてありがとうございました。
次回は来年1月に「グランシップ静岡能」を開催します。
こちらもお見逃しなく!
また、すでにチケットをお持ちの方で、今回の台風の影響により会場に来られなかった方には、チケットの払い戻しを行います。
「わくわく能楽教室」、本番に向けてお稽古も大詰め!
2013年09月10日(火)
7月から始まった「わくわく能楽教室」。
9/16(月・祝)の本番を前に、お稽古も一層熱が入ってきました。
大きな声を出して謡「羽衣」を披露します。
少し長い謡ですので、覚えるのも一苦労。途中の節もちょっと不安なところもありましたが、みんな一生懸命練習して覚えてくれました。
後はもっともっと大きな声を出せるようになれば、ばっちりです。
そして何組かに分かれて披露する仕舞。
謡のリズムに合わせて、みんながピシッと揃うように練習しています。
何度も何度も同じところを繰り返し…。
参加者のみんな、自主的に一生懸命練習しています。
当日は本物の能舞台で、満席のお客様に披露します。
残り1週間!
まだまだお稽古を重ねて、もっともっと上手になるよう一生懸命がんばっています!
9/16(月・祝)
「グランシップ静岡能 能楽入門公演」
14:00~
全席指定/1,000円
当日券の発売については、グランシップホームページでまもなくお知らせいたします。
「わくわく能楽教室」に参加してみませんか?
2013年06月09日(日)
グランシップで毎年夏に実施している「わくわく能楽教室」。
今年も参加者を募集しています。
この能楽教室は、約3カ月にわたり初心者の方を対象として能のお稽古を実施。
小学4年生から大学生・大学院生の方の「学生の部」と、「一般の部」で募集をしています。
はじめての方でも大丈夫!
一流の能楽師の方が丁寧に指導をしてくださいます。
みんなで謡の稽古で大きな声を出したり・・・
少しずつ仕舞のお稽古を進めたり・・・
「学生の部」に参加の方は、最後に本物の能舞台に上がれるかもしれません。
日本の伝統芸能に触れることで、基本的な所作や礼儀を学ぶこともできます。